Fenestra

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■ Fenestraとは

Fenestra(フェネストラ)は故人が残す写真などの「デジタルの形見」を活用して遺族が供養の儀礼や故人を偲ぶ行為を支援する道具です。本作品は、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科における博士研究として製作されました。宗教学やヒューマン・コンピューター・インタラクション(HCI)あるいはユビキタスコンピューティング(Ubiquitous Computing)といった分野をまたぐ本研究の学術的な貢献や実際にFenestraを調査協力者の生活環境において試用していただいた様子などをまとめた博士論文を以下に掲載いたします。

『故人に逢える窓 "Fenestra" ―「デジタルの形見」で故人を偲ぶ、生活に馴染む供養儀礼のデザイン―』
著者 瓜生 大輔(2014年2月27日 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科承認)

<概要>

 ビルの中に収められた室内墓、インターネット上のバーチャル墓地、小型でモダンな意匠を持つ仏壇、ディスプレイを搭載する「デジタル仏壇」、遺灰を遺族のもとで保管する「手元供養」。日本における死者供養の伝統が変革ないしは形骸化されようとしている。本研究は、このような状況に対してユビキタスコンピューティングに関する技術の活用を検討し、具体的なデザインの提案を行うものである。
 デジタルメディアの利用が一般化した今日、誰かが亡くなるたびに、生前の故人を思い出させる写真や映像などの「デジタルの形見」が大量に残される。それらは遺族にとって時に精神的な苦痛を与える存在である一方で、伝統的な死者供養の道具である仏壇や仏具、故人の戒名を記した位牌や過去帳よりも直接的に故人を偲ばせる貴重な媒体として大切に保管される。本研究では、東京近郊に暮らす人々が今日行う法要や死者供養に関する民族誌調査と、世界中に偏在する死者への追悼や供養の儀礼のためのデザイン調査をふまえ、デジタルの形見を活用して供養の儀礼や故人を偲ぶ行為を支援する道具 “Fenestra” をデザインした。
 円鏡、フォトフレーム、キャンドルホルダーから成る Fenestra は、「鏡をじっと見つめる」、「ロウソクに火を灯す」という 2 種類の動作に反応して、故人の面影(顔)や、故人が健在だった頃の家族の集合写真や日常を記録した写真を表示する。本論文では、数年以内に近親を亡くしている 3 人の方がそれぞれの生活空間の中でFenestraを介して「故人に逢う」様子を報告するとともに、そこから生まれた新しい供養の儀礼や故人を偲ぶ行為を具体的に描き出す。そして、先端技術を活用したデザインが、これまで主に宗教が担っていた死者への追悼や供養の儀礼といった「人々の内面に宿るスピリチュアリティ」を支援できることを証明する。


■ 紹介映像

Fenesra: Window to Meet the Deceased from daisuke uriu on Vimeo.


■ 発表・掲載など

2014年9月14日(日) 同志社大学(京都市)で行われた日本宗教学会 第73回学術大会において "「デジタルの形見」と供養儀礼のデザイン" と題した発表を行いました。発表の際に配布したレジュメはこちらになります。

2014年9月16日(火)ねとらぼで紹介いただきました。「愛する人を、それぞれが最も思うことができる形で デジタル時代の新しい仏壇「Fenestra」 ちょっと静かな気持ちになって、大好きな人と会えます。」(ねとらぼ 2014年09月16日 16時23分 更新)

2015年9月6日(日) 創価大学(八王子市)で行われた日本宗教学会 第74回学術大会において "変わりゆく遺影の意義とデザイン―絵画、写真、デジタル― " と題した発表を行いました。発表の際に配布したレジュメはこちらになります。

2016年5月12日(木) 米国サンノゼにて開催されたCHI2016において“Designing for Domestic Memorialization and Remembrance: A Field Study of Fenestra in Japan”と題した論文発表を行い、「Honorable Mention」を受賞しました。論文はこちらからご参照ください。


■ お問い合わせ

Fenestraの商用利用、Fenestraにかかわる技術の応用などにご興味がお有りの方は、以下のメールアドレスまでご連絡ください。公演や学術的な発表、出版などの依頼も受け付けております。

daisuke(at)katadol.tokyo

また、葬送・供養に関係する商品企画・開発・デザイン、デジタル技術を用いた研究・開発など、エンディング産業に関わるデザイン全般にご興味がお有りでしたら、ぜひ下記をご参照ください。

http://tomurai.katadol.tokyo/

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